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君の名は。

【海外の反応】【新海誠インタビュー記事より】新海誠「日本人のためのアニメを制作している」海外「そこが素晴らしい」他【すずめの戸締まり 海外の反応まとめ】

【文春オンライン記事】

「どの作品も違う彼氏と見ました」という声も…新海誠監督に聞く『すずめの戸締まり』が中国・韓国で“メガヒット”したワケ

2022年11月に公開され、動員1100万人超、興収147億円超を記録した、新海誠監督による劇場アニメ『すずめの戸締まり』。歴代興収ランキング14位にランクインし、中国と韓国では日本映画興収第1位に輝くほどのメガヒットとなった。

新海誠監督に、中国と韓国での反応、20年前から熱視線を送っていたという中国・韓国の新海誠ファンの存在、日本製アニメがアジアで支持される背景などについて、話を聞いた。

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「あらゆる手段を使って見てくれている海外のマニアがたくさんいた」

ーー『すずめの戸締まり』が中国での日本映画興収第1位になりましたが、その第3位が『君の名は。』(2016年)、第6位が『天気の子』(2019年)となっています。監督の作品が中国で圧倒的な支持を得ているのを実感したのは、いつくらいからですか?

新海誠(以下、新海) 今年の3月に『すずめの戸締まり』のプロモーションで北京と上海を訪れた際に、これまで以上に中国での日本のアニメ映画への期待度の桁が変わってきたんだなということを実感しました。『君の名は。』は中国での興収が95億円だったので、すでにあの時点で興行やビジネスの面では大きな規模になってはいたんですが、『すずめの戸締まり』の公開にあたって日本の作品に対する中国側の配給の気持ちの強さや期待が、より強くなっているな、と。

“精緻なプロモーションをして明快にヒットさせるんだ”と、中国の配給会社が前のめりになっているのは今回が一番強く感じましたね。

ーー『君の名は。』以前で、そういったものを感じたことは。

新海 興行やビジネス面以外での中国との関わりは、もう随分前からあって。僕は2002年に『ほしのこえ』を個人制作したのが監督としての本格的なスタートになるんですけど、その頃から海外にはアニメ・マニアの方々がいたんです。自分たちの住む場所で作品を見られなくても、なんらかの方法を駆使して国外のアニメ作品を見るような熱心な方たちです。

中国では『ほしのこえ』のDVDは正規でリリースされていなかったけど、海賊盤といったあらゆる手段を講じて見てくれているマニアの方がたくさんいたんですね。僕のもとにそういった方たちから感想がいっぱい寄せられたこともあって、2000年代の頭から中国にファンの方たちがいるのはわかってはいたんです。最初はそうした実感だったんですけど、作品を出すごとに中国の経済規模も大きくなって、流通も完全にクリーンになって、日本のアニメが興行として成立していっていることも感じましたね。

ーーそれまでにもあったファンからの熱気が、『君の名は。』以降から商業的な熱気に変わったわけではなく。

新海 ビジネスのやり方が変わってきただけで、熱量は当時からそのまま変わっていないと思います。海外のファンのみなさんの熱さはずっと継続していて、その中でも中国は特に熱いんですね。『言の葉の庭』(2013年)のときに上海の映画祭に呼んでもらって、はじめて中国に行ったんです。『言の葉の庭』は日本では小規模公開だったんですけど、上海ではとても巨大な劇場で上映してくれて、ファンの方が1,000人近く集まって「サインがほしい」「あの作品が好きだ」と言ってくれました。あの時点で、僕の作品のパッケージは中国で発売されてないし、作品も公開されていないにも関わらず、そうした歓迎を受けたことがとても印象深くて。今回の『すずめ』でも、その熱量はまったく変わっていなかったですね。

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「どの作品も違う彼氏と見ました」というファンも

ーー韓国でも『すずめの戸締まり』は累計観客数が約540万人、韓国での日本映画歴代1位の大ヒットとなっています。韓国での支持も中国に近しい感じですか。

新海 僕がはじめて韓国を訪れたのは『雲のむこう、約束の場所』(2004年)を作ったときで、ソウル国際マンガ・アニメーション映画祭に呼んでいただいたんです。やはり、その時点でもファンの方がいらっしゃって、インターネットなどを通じて僕の作品に触れていたようでした。

中国と韓国で印象的なのは、「小学生で『君の名は。』、中学生で『天気の子』を見て、いま高校生で『すずめの戸締まり』を見に来ました」とか「どの作品も違う彼氏と見ました」といった声が多いんです。小学校、中学、高校、大学と、10代の各ステージに僕の映画がリンクしていて、3年に1回のイベントのようになっているんだなって。「いくつのときに『君の名は。』を見て、いまは高校生です」とか「いまは大学生です」みたいな話をしてくれるファンが、どちらにも多いんですよ。

ーー人生で最も多感な時期に作品を見てもらって、その後も追ってもらえるのは監督冥利に尽きますね。

新海 そうですね。でも、彼らにはそうした作品がきっとほかにもいっぱいあるんですよ。僕自身もかつては宮崎駿さんの新作をずっと待っていたし、『風の谷のナウシカ』の原作なんて何年も待ちました。その間には『機動戦士ガンダム』なども見ていたし。そういう昔の僕のような状況で、大きなお祭りとして捉えてくれるのは嬉しいですし、そうなったのも作品を作り続けてきたからだなと思います。

あと、作品の打ち出し方についてはうちの会社(コミックス・ウェーブ・フィルム)の方針もあって。「海外のアニメのマーケットは必ず大きくなっていくから、いきなり興行などを大きくやらずに、まずはファンの方たちと丁寧に向き合うことからはじめていこう」と。これは僕ではなく、社長の川口(典孝)や海外担当の人間の判断だったんですけど、結果的に良かったと思います。

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「東日本大震災」というテーマの受け止められ方

ーー『すずめの戸締まり』は、東日本大震災が大きなテーマになっています。そこを中国と韓国の観客は、どう受け止めていると感じましたか?

新海 僕はどの国でも上映後の舞台挨拶に出たときに、海外の観客のみなさんにいろいろなことを話すんですが、そこで、2011年に実際に起きた東日本大震災がこの作品のベースにあることや、東北地方を地震と津波が襲って住んでいた場所に住めなくなった人がたくさんいること、すずめのような人たちが本当にたくさんいることを伝えるんです。すると、それを聞いた瞬間に「え、そうだったの!?」と観客のみなさんが息を飲んでいるのがわかるんですよ。

「建物の上に載っている船を劇中で出したのには、こういう理由があって」と続けると、ものすごく真剣に聞き入ってくれるんです。さらに「東日本大震災のことを覚えてる方はいらっしゃいますか?」と聞くと、どの国も観客の3割ぐらいの人しか覚えていない。観客のなかには、映画を見たあとに記事やレビューなどを読んで東日本大震災のことを知り深堀する人もいるでしょうけど、多くの人は、まずはその事実とは関係なく、純粋なエンタテインメントとして見てくれたんだなという感覚です。

ーー日本でも若い観客となると、東日本大震災といってもピンとこない人もいるでしょうし。

新海 いまの日本の10代のほとんどは、東日本大震災の記憶がないわけですからね。日本でも若い世代が「あ、こういうことが日本にあったんだね」というところも含めて、見てくれたのかもしれないなとは思います。『すずめ』はどの国でも若い世代の間で広がっていった感覚があるのですが、日本の場合はそれに加えて年長者に届かなかった部分も強くあったんじゃないかなという実感もあって。震災の記憶がある世代は「思い出したくない」「見たくない」と思われた方が少なくないと思います。

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アジアで日本のアニメがヒットしている理由

ーー中国と韓国でメガヒットとなりましたが、そもそも日本のアニメはアジアでは受け入れられやすい土壌があると思いますか。

新海 単純に日本のアニメに馴染んでいるんですよね。たとえば『ドラえもん』だったら、どこの国の作品なんてことは気にせずに見ている。中国のアニメ・ファンも韓国のアニメ・ファンも、日本の子供向けアニメを見ながら育ってきて、その延長線上に僕の作品のようなオリジナルの劇場アニメーションもあれば、ジブリ作品もあれば、『スラムダンク』をはじめとした「週刊少年ジャンプ」のIP(Intellectual Property=知的財産)ものもある、といったことじゃないかなと。

いま、韓国と中国の日本アニメ歴代興収の1位が『すずめ』で、2位が『THE FIRST SLAM DUNK』ですよね。でも、僕以外の人が『すずめ』を出したり、井上雄彦さん以外の人が『THE FIRST SLAM DUNK』の監督を手掛けていたら、ここまで当たらなかっただろうと思います。

ーー創作活動の積み重ねが、メガヒットに繋がったと?

新海 内容も大事だけど、「あの監督の作品だ」とか「これ、漫画でずっと読んできたやつだ」といったものもすごく大事なんだなと感じます。僕やその前の偉大な先人の方々がコツコツとやってきたこと、種をまいてきたこと、その積み上げがアジアにはあった。いまは、それが花開いている状態なんだと思います。

たとえば「ジャンプ」のIPものは、テレビでアニメは何度も放送されてきて、漫画が何千万部と読まれてきて、そして劇場アニメとなって、みんなが見る。『呪術廻戦』も『ワンピース』も『ドラゴンボール』も全部そうだと思うんですよね。積み重ねがあってこそ。アジアにおいて、日本はそれをじっくりやってきたんですね。これが欧米になると、アジアと比べて積み上げがグッと少なくなる。まだ日本のアニメーションというものが欧米などの地域でマイナーな存在なのも、そこが理由だと思います。それでも、確実に変わってきてはいますけれども。

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アメリカでの反応は…アジアに比べたら「まだまだ」

ーー欧米における日本アニメの存在感についての話が出ましたが、4月12日からアメリカでも『すずめの戸締まり』が公開されました。反応はどうでしょうか?

新海誠監督(以下、新海) 中国、韓国と同じように、アメリカにも熱いファンの方々はいるんですよ。ただ、分母の数が圧倒的に小さいですね。

そうしたなかでも「週刊少年ジャンプ」のIP(Intellectual Property=知的財産)ものは、状況がずいぶんと変わってきましたね。コロナ禍もあって、この3年で世界中の人が一気に配信を見るようになって、『鬼滅の刃』を筆頭に日本のアニメーションが日本以外の国の人々に発見されて人気を集めたんじゃないかと思います。

「週刊少年ジャンプ」系に限らず、漫画原作でテレビ・シリーズになっているIPものは、北米でも存在感がどんどん増してきています。さっきも言いましたが、それでもアジアに比べたらそこまでの大きさではない。ましてや僕の作品なんか、まだまだマイナーでマイノリティのためのものといった位置付けになっていますね。

ーー『君の名は。』以降、監督の作品は海外で大きく公開されていますそれゆえにテーマやプロットの構築、キャラクターの造形などで、国外の観客を意識しているところはありますか。

新海 『君の名は。』『天気の子』『すずめの戸締まり』に関しては、僕のなかではグローバルへの意識はほとんどゼロ。一切考えていないです。「日本で作る日本人が見るためのアニメーションを作ろう」と思って作っていて、徹底的にローカルなものにしようと意識しています。

グローバルなものは、すでにハリウッドや韓国がとてもうまくやっていますよね。最初からグローバルを見据えて、インクルージョンとダイバーシティをしっかり組み込んだ制作体制で、作品を当てている成功例があります。それはとてもすごいことですが、一方で、僕たちがそれと同じ方向を向くのはすこし違うんじゃないかと。

そうじゃなくて、徹底的にローカルなものを作ろうと思っています。ローカルであっても、その足元の地面をずっと掘っていけば、地球の反対側に穴が通じることもあるかもしれない。そうやって他の国の人が見てくれることもある。国は違っても同じ人間だから、根っこでなにか伝わったり、響いたりするわけですよね。

もちろん、日本以外の方にも見ていただきたいので、配給してくれている東宝や僕らの会社(コミックス・ウェーブ・フィルム)の海外担当が、「海外向けのタイトルをどうしようか」とか努力してくれています。ただ作品そのものの作り方は、海外を意識していませんね。

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コロナ禍をほとんど感じさせない内容にしたワケ

ーー作品の時事性についてもお聞きしたいのですが、『すずめの戸締まり』は劇中のセリフから察するに2023年が舞台ですね。そうなると、どこかでコロナを意識せざるをえなかったのではないかと。とはいえ、主要キャラクターのマスク姿が多いとビジュアル的に映えませんし。

新海 いろいろと考えました。『すずめ』の企画を考えはじめたのが2020年の頭で、ちょうどコロナというものが世間で騒がれ始めたタイミングでした。そして企画書を書き上げたのが2020年の4月で、今度は東京で緊急事態宣言の出るタイミングで、制作期間がコロナ禍と完全に重なっていたんです。

そういうこともあって、どうしても「コロナをどう考えるべきか」は悩みました。「キャラクターにマスクをさせるべきか」「消毒液を置くべきか」といったところは、制作中にスタッフたちとかなり話し合いました。「公開の頃にはコロナもある程度は収まってくるのではないか」「ある程度は収まっていないと、映画の公開自体がどうなるかわからない」と思いつつ、どれぐらいの濃度でコロナを感じさせるべきか迷いましたね。

その結果、コロナをほとんど感じさせないようにすることを選びました。キャラクターがマスクをしている場面もあるけど、それは例外的にマスクをしているだけ。たとえばすずめだったら、東京に向かうときに家出少女として移動するから、顔を隠す意味もあってマスクをしているんだと。消毒液も置いてあるけど、よく見ないとわからない程度にして。

ーーそうした判断は、誰かの意見が反映されていたりしますか。

新海 『君の名は。』から一緒にやっているプロデューサーで、川村元気さんという方がいるんですけど。川村さんの言っていたことが印象深かったんですよ。「日本以外で上映される頃には、おそらく海外ではマスクの習慣は残っていない。それなのに劇中でいろんな人がマスクをしていたら『これはなんなんだ?』となるだろう。海外の人が見たら、マスクはノイズになってしまう」と話していて、記憶に残っているんです。その川村さんの意見は反映されていますね。

ーーあくまで作品のテーマは震災ですしね。

新海 僕は、コロナ禍になって、その前の日本社会に巨大なインパクトを与えた東日本大震災がコロナの衝撃に上書きされてしまうんじゃないか、記憶が遠ざかってしまうんじゃないかと思ったんです。コロナも一種の災害ですが、新しい災害が起きてしまった以上、あの地震はさらに過去の災害になってしまう。だけど、震災はまだ終わってなんかいないですよね。だとしたら、震災を題材にした映画を作っているのならば、コロナが起きたからといってそちらに切り替えたり、それを大きく盛り込むべきではないと思ったんです。そういった気持ちもあって、『すずめ』を制作していたときは、コロナ禍を映画の中で描くことはやめました。

ーー現在はマスク着用が個人の判断が基本になって、新型コロナウイルス感染症の扱いが2類から5類へと移行したりと、日本国内の状況も変わりましたが。

新海 そうですね。制作していたときは、コロナの存在を感じさせないようにと決めて作っていきましたけど、コロナ禍の状況が変わる中で、僕のなかでも変化は生じました。

『すずめ』の劇場での上映は5月で終わりますが、終映企画としてアップデート版を上映しているんですよ。それはDVDやブルーレイの収録用にアップデートさせたバージョンなんですけど、セリフを追加したりはしていませんが、マスクの描写を増やしています。ほとんど気づかないレベルですけど、東京駅などでマスクをしている人が何人か多くなっているんです。

『すずめ』は舞台を2023年9月に想定してるんですが、その作中の時期に現実世界が近づいたいま、たしかにマスク姿の人は減ったけれど、完全にはなくなっていないですよね。そういった現実とリンクするような世界を、より現在に近い世界を、ブルーレイ用のアップデート版では描いているんです。

『すずめの戸締まり』は“震災の映画”ですけど、もっと大きい視点で言うならば“災害の映画”なんです。災害によって人生が断絶された人が、その先でどうやってリブートするのかという物語。コロナもいろんなものを断絶した災害なわけで、震災はあったのにコロナはない世界というのは、映画のコンセプトから外れちゃうんじゃないかと、映画を完成させたあとに、考えが少し変わったんです。

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公開後1カ月はあまり眠れず「気が緩むと涙が出た」

ーー過去作のインタビューで“作品に対する意見を気にするあまり寝込んだことがある”といったことを仰っていますが、今回は大丈夫でしたか?

新海 いまもそうです。いろんな意見が出てくるのは当然ですけど、そのたびに一喜一憂していますね。『すずめ』は昨年の11月に公開されましたけど、最初の1ヶ月くらいはあまり眠れない日々が続いて、ちょっと気が緩むと涙が出てしまって。自分としては「うまくいかなかったな」という気持ちが、すごく強かったんです。

うまくいかなかったと思う根拠が明確にあるわけじゃないんです。みなさんの力によってヒットしたといえる数字も出せました。それでも、うまくいかなかった気持ちが強かった。

震災に関する部分で、そういう気持ちになったんです。「震災を利用してお金を儲けている」ようなことを言われるのは想定していたんですけど、想定していたのと、実際にそういった意見を聞いたり目にしたりするのは、やっぱり違うものでした。

ーー聞いたり、目にしたもので、大きなインパクトを受けたものがあったのですか。

新海 ある報道ドキュメンタリー番組で『すずめ』を取り上げていただいて。東日本大震災に遭われてご家族を亡くされた親子の方が『すずめ』を見に行かれるんですが、その娘さんは「家族が震災で亡くなったことを友達に言えなかったんだけど、この映画を見て友達とそのことを共有できた」というようなことを言ってくださって。だけど、お父さんは「この監督は、なんだってこんなものを作ったんだ。こういう突きつけ方をしてほしくなかった。信じられない」といった反応だったんですね。いろんな反応が出るのは覚悟してたけど、それを見たときに「作るべきじゃなかったんじゃないか」「もう少し違う手付きがありえたんじゃないか」と考えて、寝込む寸前にまでなってしまって。

ーー難しい問題ですね。

新海 でも、いまとなっては『すずめ』という映画を作ることを、やらないよりはやってよかったと信じています。震災をエンタテインメントのなかで扱ってはいけない、扱うのは禁止となってしまったら、そのほうが不健全ではないかと思うんです。

東日本大震災に限らず、実際にあった大災害が設定の一部になっている漫画、小説、アニメは『すずめ』のほかにも数多くあります。なにか災害が起きると、そこから無数の物語が生まれていきますが、そういった作品に触れることで「あ、こんな災害があったんだ」「あの震災でこんなことがあったのかも」という気づきや思いが出てくるわけです。

ただ『すずめ』のような大きな規模の映画は、それゆえに目立つことで、さまざまな声が届くんですね。だけど、『すずめ』のような描き方じゃなければ届かなかったもの、届かなかった場所というのは、きっとあったんじゃないかと。海外を回って戻ってきたいまだからこそ、そう強く思います。

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【海外の反応】「すずめの戸締まり」中国、韓国で、日本映画歴代興行収入1位を獲得! 海外で新海誠作品が受け入れられる理由は?【すずめの戸締まり 海外の反応まとめ】

【記事内容】

新海誠監督の最新作『すずめの戸締まり』が、中国や韓国で『君の名は。』超えの日本映画新記録になったワケ

新海誠監督の最新作『すずめの戸締まり』が、中国や韓国で社会現象を巻き起こしている。どちらの映画市場でも「最もヒットした日本映画」となり、興行記録を塗り替えている。エンタメ社会学者の中山淳雄さんは「コロナ前まで約3000万人の訪日外国人が来ていたが、この3年間は来日できなかった。そうした日本好きの人たちの期待に応える内容だったことが、爆発的ヒットにつながったのではないか」という――。

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■中国で最もヒットした日本映画になった

「宮崎駿監督とスタジオジブリ」、「細田守監督とスタジオ地図」と同様に、「新海誠監督とコミックス・ウェーブ・フィルム」が世界的なブランドになりつつある。

『すずめの戸締まり』(2022年11月11日本公開)が世界各国で記録的なヒットとなっている。海外市場で到達した高みは、日本映画史上かつて誰も経験したことのない社会的現象に発展している。

日本に遅れること5カ月強、2023年3月24日にスタートした中国興行では、4月半ばに7億5200万元(約146.6億円、レートは公開当時。以下同)に到達。これは「中国市場での最初の大ヒット日本映画」と言われていた『STAND BY ME ドラえもん』(2014)の5.3億元(約91億円)や、それまでの中国での日本映画記録を持っていた新海誠監督7作目の『君の名は。』(2017)の5.7億元(約94.6億円)を大きく飛び越えて、中国市場で最も売れた日本映画となった。日本国内での『すずめの戸締まり』の興行収入は144.8億円(4月16日時点)なので中国のほうが売れている結果となっている。

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■世界で最も売れている日本の映画監督

記録的ヒットはこれだけにとどまらない。中国より約2週間ほど早い3月8日に公開がスタートした韓国においても、これまでの観客動員数が469万人(4月17日時点)を突破し、韓国市場で最も売れた日本映画になっている。 『すずめの戸締まり』以前の同記録を持っていたのは、今年1月に公開された『THE FIRST SLAM DUNK』だった。同作の累積観客数は、現在449.6万人だ(4月17日時点)。

中国や韓国だけでなく米国も含めた「海外で最も売れた日本映画」でいうと、1位が『すずめの戸締まり』(2022)の1.7億ドル(約227.3億円)、2位は『君の名は。』(2016)の1.5億ドル(約163.2億円)となっている。3位の『千と千尋の神隠し』(2001)が1.17億ドル(134.5億円)、6位の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(2020)が0.88億ドル(95.9億円)であることを見ると、今や新海監督が世界一動員力のある日本アニメ監督といって差し支えない状況である。(売上データ:Box Office Mojo by IMDbProから引用)

これはたった10年の間に中国の映画市場が、101億元(2010、約2000億円)→641億元(2019、約1.2兆円)と急成長したことが大きい要因といえる。ほぼ「世界最大の米国映画市場がもう1個できた」レベルだ。加えて、2010年代後半に世界で動画配信網が爆発的に伸び、日本アニメが米国・中国を中心に世界中に浸透し、アニメの劇場版に足を運びやすくなっていることも影響している。10~20年前とは日本アニメが規模も浸透度合いもケタ違い、という市場自体の変化が前人未踏の記録を後押ししていることは間違いない。

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■日本映画の歴史の中で特筆すべき年

 日本映画の歴史は長い。1895年、フランスでリュミエール兄弟が世界初の映画撮影をした、2年遅れの1897年に日本でも映画撮影が行われている。中国(1905年)や当時の朝鮮(1919年)、台湾(1925年)などアジア諸国のなかでは最も早く映画を取り入れたのが日本だった。そこから映画は戦前・戦後にぐんぐんと伸び、1958年の映画産業ピーク時、観客動員は年間11.2億人だった。最近(2019年)の1.9億人という記録とは比べ物にならない時代もあった。テレビが浸透する1970~80年代は映画業界にとっては受難の時代である。1971年大映の倒産のタイミングに東宝も制作をやめて配給に特化していき、三船プロ・石原プロ・勝プロなど制作陣・俳優陣は独立してテレビ業界になだれこまなければ生存できない時代もあった。そこからジブリの登場が天啓となり、アニメが映画産業をひっぱる時代に入る。

1998年『ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』が米国で8500万ドル(約110億円)という米国市場ではいまだ破られていない日本映画記録を打ち立て、2003年『千と千尋の神隠し』が米国アカデミー賞に輝く。ここが現在まで続く「クールジャパン戦略」が検討されはじめるタイミングでもある。

こうした125年の歴史をひっくるめて、間違いなく今この2023年が、日本アニメがマックスで世界に届いている瞬間である。それを牽引するのが新海誠作品であり、続く『THE FIRST SLAM DUNK』も中国では4日で4億元(約80億円)超え、『すずめの戸締まり』の最高記録更新も見えてきている。

日本アニメに一体全体何が起きているのだろうか? 

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■宮崎駿の引退宣言で起きたこと

まずは日本映画の環境変化から話を始めよう。多くの人にとっては『君の名は。』から新海作品を知り、『天気の子』でその評価を着実なものにした、というルートがスタンダードなのではないだろうか。2013年宮崎駿監督の『風立ちぬ』を最後に、スタジオジブリの“国民的アニメ映画”を喪失したわれわれは、誰もが観に行っていて誰とも感想が共有できるこのポジションに代わる作品を模索した。2014年からの数年間は完全に「ポストジブリ」の群雄割拠の時代にはいった。

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■ジブリロス→日本アニメブームに

「ドラえもん」、「クレヨンしんちゃん」、「名探偵コナン」の毎年のGWアニメシリーズも、『バケモノの子』など細田守監督作品も、数年おきの展開をする「ドラゴンボール」「ワンピース」作品も、ほとんどのアニメ作品がこのポストジブリ時代に大きく成果を上げていた。

そうした中で圧倒的ナンバーワンのポジションを築いたのが新海作品だった。新海作品を並べてみると、これほど如実に「桁」が変わったシリーズは他にない。監督5作目の『星を追う子ども』(2011)以前の作品はほぼ自主制作から始めた、典型的なインディー作品である。東宝が配給に入った『言の葉の庭』(2013)の興収は1.5億円。それが『君の名は。』(2016)で約170倍の250億円になる。なぜ2010年代半ばにこれほどの“確変”を見せたのだろうか。

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■宮崎作品との共通点

新海誠監督は1973年に長野県南佐久郡小海町で生まれた。郡として2万人、町としても4000人という、いわゆる過疎化した地方の出身者である。子供のころからSF・宇宙モノの本を愛読しており、母親の影響で絵も描いていたという。小学校でスピードスケート部、中学校でバレーボール部、高校で弓道部といった経験や、高校は毎日片道40分かけてJR小海線で通学していた話など、“出自”が彼の作品のそこかしこに感じられる。いや、感じすぎるといった表現のほうが正しいくらいに、新海は自分の学生時代の風景を重ねて重ねて、各作品で引用し続けている。

恋人の存在とそこに世界的な命運まで背負わされる切なさ、学校と電車、上京する地方出身者が見る東京、純粋な天気や風景の美しさ、古事記や神話・民族伝承の引用。

「高校時代に黒板に映る夕日の陰影があまりに美しかった」という新海監督が長野時代に自分が得たインスピレーションを30年以上も描き続けている。“執念”のようなものが、彼の作品の根幹を支えているように思える。それは「戦い続ける穢れない少女」にこだわり続けた宮崎駿作品にも共通している。

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■最初に作った映画のテーマ

新海は『彼女と彼女の猫』(1999)と『ほしのこえ』(2002)を“自作”している。「英雄伝説シリーズ」などで有名なゲーム会社日本ファルコムの社員として1996年から勤務しながら、夜な夜なアニメ制作を行った。監督・脚本・演出・作画・美術・3DCG・撮影・編集・声の出演をすべて自分の手作業で仕上げているのだ。非常に内省的なプロセスであっただろう。30歳を手前に「このままゲーム会社にいていいのか」というモヤモヤをかかえながら、ほぼ初期衝動そのもので完成させたのが『彼女と彼女の猫』であり、2001年の退社後に25分アニメとして完成させたのが『ほしのこえ』である。「恋人と引き裂かれる切なさ」や「日常の風景・天気の美しさ」といった現在も貫く新海アニメのテーマはこの作品からすでに確立している。『ほしのこえ』は単館上映ながらDVDは国内6.5万枚という売り上げを上げた秀作である。ニッチながらも新海作品の世界観に心を打たれた10万人単位の深いファンが、日本にも海外にもこの時期(2000年代前半)から存在していたことは、特筆すべき実績だろう。

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■「二塁打がホームランに」

新海誠監督が描きたい“主題”はこの20年に出した9作のなかで、それほど変化していないように見える。『言の葉の庭』は『彼女と彼女の猫』の、『君の名は。』は『ほしのこえ』の語り直しの色合いが強い。メッセージや構図や関係性などはインディーズの時代から変わっていない。

だがそこに東日本大震災を想起させる社会的テーマを忍ばせ、マス向けには不釣り合いな枝葉の部分はうまく剪定した。

川村元気など名プロデューサーとのチームが組成され、RADWIMPSの劇伴など他のクリエイティブが秀逸に絡み合った上、東宝のような大手配給会社がバックアップしたことも大きい。(『言の葉の庭』は全国23館、『君の名は。』では試写会で東宝内での反応が良く一気に全国300館での封切りが決まり、『すずめの戸締まり』は420館だった)

その結果、「二塁打ぐらいいけばいいと思ってスイングすると、たまにあるじゃないですか、真芯に当たって場外ホームランみたいなことが。それが今回のケース(『君の名は。』)かなと思うんです[SWITCH SPECIAL対談 新海誠×川村元気(後編)]」と川村が評する事態に発展した。

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■なぜ爆発的ヒットになったのか

作品が10万人(≒1.5億円)に強く響いていれば、100万人(≒15億円)に広げようという野心あるチームができる。チームの力で新海作品は広く受け入れられる形に“カルチャライズ”された、もともとの本質的な軸は残しながら。そこに説明しがたい「時代性」(ポストジブリ時代であったこと、『シン・ゴジラ』と共鳴して東日本大震災後5年目で傷を癒やす物語が受け入れられるムードになったこと等)が偶然にも引火し、想定しない化学反応がおきたときに1000万人(≒150億円)を超える。10万人と100万人との差を分けた要因はチームで説明がつくが、100万人と1000万人を分けた要因は作品や作家本人、チームだけではどうにも説明がしきれない。それはコロナ禍で『「鬼滅の刃」 無限列車編』が受け入れられ、阪神大震災やオウム事件など社会全体が不穏な空気に包まれた時代に、『もののけ姫』や『ポケットモンスター』が生まれたことにも通じるだろう。

中国でもそれは同じだ。19年末の上映となった『天気の子』が50億円程度にとどまり、まさにゼロコロナ時代からの解放と共に始まる『すずめの戸締まり』が100億円を超えた。これを分けたのは、絶対的な時代性の差といえよう。

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■世界一周ツアーのすごい効果

加えて新海監督は『君の名は。』の成功より10年以上前から、国内の地方から海外まで映画プロモーションで行脚を続け、自らの手で小説のサイン会を開催し続けた。これは、映画監督としては珍しい腰の軽さかもしれない。『すずめの戸締まり』でもそれは遺憾なく発揮された。国内24都道府県・72カ所をまわった後に、2023年2月のベルリン映画祭→フランス→イギリス→韓国→中国→アメリカ→メキシコ→アメリカ→タイ→インド→韓国と数カ月にわたり、世界中のイベントを行脚している。(韓国のファンに対し「観客動員300万人到達したらまた来ます」と新海監督が以前に宣言したため) 自らがファンと向き合い続けて踏み固めた10万人との絆が、現在の『すずめの戸締まり』観客4000万人(※)、海外7割を超えるファンに届かせる大きな礎となっていることは間違いない。

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【記事内容】

『すずめの戸締まり』が中国、韓国で記録を更新 アニメの世界興行が別のフェーズへ

新海誠監督の『すずめの戸締まり』が世界各国で続々と公開されヒットを記録している。日本のアニメが世界で高い評価を得ていることは、もはや驚くことではないが、それにしても本作のヒットの仕方は凄まじい。2022年11月の公開後、日本でも大ヒットとなった『すずめの戸締まり』は、2023年に入って各国で公開され、興行記録を次々と塗り替えている。ここでは『すずめの戸締まり』の各国での反応をチェックしつつ、そのほか日本のアニメ映画が世界でどのように評価されているのか見ていきたい

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中国・韓国で歴代日本アニメ映画興行成績を更新

3月8日に公開された韓国では、公開から15日連続動員数1位を獲得。映画振興委員会の統合電算ネットワークによると、4月17日までに累計観客動員数約496万人を記録し、これは2023年に韓国で公開された映画の最高興行成績となった。また韓国で公開された歴代日本映画でも1位を獲得。次々と記録を塗り替えている。

さらに、いまやハリウッドに匹敵するほどの巨大市場となっている中国でもスマッシュヒットを飛ばし、大きな注目を集めている。3月24日から公開された本作は、4月17日までに興行収入7億5,200万元(約146億円)を達成し、2016年に公開された『君の名は。』の5億7,600万元(約100億円)を上回り、中国で公開された日本のアニメ映画歴代興行収入ランキングで1位になった。4月18日時点では147億円を突破し、日本での興行収入144.8億円を超えた。日本作品の中国での興行収入が日本を上回るのは史上初だ。これについて新海監督は自身のTwitterに「日本のアニメーションの世界興行が別のフェーズに入ったと実感しています」と投稿した。

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ベルリン国際映画祭への出品、Rotten Tomatoesでも高評価

アジア以外のヨーロッパや北米でも、その評価は高い。『すずめの戸締まり』は、2002年に金熊賞を獲得した『千と千尋の神隠し』以来、21年ぶりにベルリン国際映画祭のコンペティション部門に正式出品された。さらに異例なことは、『すずめの戸締まり』は映画祭より前に日本で公開されていることだ。ベルリンをはじめとする大型国際映画祭の主要部門では、通常はまだ一般公開されておらず映画祭が初上映となるワールドプレミアが選考基準となる。しかし『すずめの戸締まり』は、日本ですでに公開されているにもかかわらず、インターナショナルプレミアとして公式出品されたのだ。受賞こそ逃したものの、映画祭側の強い意向があったことが感じられる。

北米では4月14日から字幕版と吹替版の両方が公開され、ロサンゼルスで吹替版のプレミアが行われるなど、華々しくデビューした。映画批評サイトRotten Tomatoesでは批評家スコアが96%、観客スコアが98%(2023年4月28日時点)と驚異の高スコアを叩き出している。批評家や観客の多くが絶賛しているのは、そのアニメーションの美しさだ。そこに2011年の東日本大震災をからめた成長物語、普遍的な慰めと癒やしを描いたストーリーも好評を博している。

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『THE FIRST SLAM DUNK』など、存在感を増す日本アニメ映画

最近海外でヒットしている日本のアニメ映画は『すずめの戸締まり』だけではない。日本では2022年12月3日に公開され、興行収入132億円を突破した『THE FIRST SLAM DUNK』も、アジアを中心に存在感を示している。先ほど『すずめの戸締まり』が韓国で公開された日本映画で歴代1位を獲得したと紹介したが、その前に1位となっていたのは、ほかならぬ『THE FIRST SLAM DUNK』だ。2023年1月4日の公開から61日で、『君の名は。』を抜いて観客動員数は400万人を超え、日本映画で最高興行成績を記録。しかしほどなくして『すずめの戸締まり』に記録を更新されてしまった。だが4月5日からはIMAXでの上映も開始され、人気は続いている。

中国では4月20日に公開され、4月19日時点で前売り券の売上は1億1,500万元(約22億円)を突破。上海の映画館では、午前0時ごろからの上映でもほぼ満席となった。中国のインターネットメディア「澎湃新聞」によると、4月20日には中国本土で計13万回上映され、この日上映されたすべての映画の8割を占めたという。4月23日時点の興行収入は3億7,700万元(約73億円)を突破した。『スラムダンク』のテレビアニメは90年代に中国でも放送されており、一部で絶大な人気を誇っている。また中国では、かつてアメリカNBAで活躍した選手もおり、バスケットボールの人気も高い。こうした背景もあり、『すずめの戸締まり』を上回る可能性もある。

これまで海外で評価される日本のアニメ映画といえば、数多くの映画賞を獲得した『千と千尋の神隠し』に代表されるジブリ作品をイメージすることが多かっただろう。ジブリ作品は北米やヨーロッパでの支持が高い。しかし今回の『すずめの戸締まり』や『THE FIRST SLAM DUNK』を見てみると、アジアで熱狂的に受け入れられているのだ。マーケティングや観客の関心は欧米での評価に向けられがちだが、日本のアニメ映画が輝く場所は、実はアジアにあるのかもしれない。

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【記事内容】

『すずめの戸締まり』が韓国で500万人突破の日本映画新記録 訪韓中の新海誠監督「本当にありがとう!」

推しのIVEからサインが届き「やばい!!ありがとうございます!!」と感激

新海誠監督のアニメ映画『すずめの戸締まり』が韓国で観客動員500万人を突破し興行成績の新記録を打ち立てた。新海監督は現地で朗報を聞き「本当にありがとう!」と感謝の言葉を自身のツイッターにアップした。

プロモーションを終えた1日未明にはチキンとポテトの写真をアップし「この時間にこれを食べていいのかな、笑」と祝杯を上げている様子を明かした新海監督。韓国映画評議会によると、3月8日に現地劇場で公開された同作は4月28日にチケット販売数が500万枚を超え韓国の興行収入の新記録を達成した。500万人超えは日本映画としては初めて。

新海監督は同作のプロモーションのため2度目の韓国訪問。28日に「たった今、韓国でのすずめの観客動員数が500万人を突破したとのこと!僕たちは釜山に移動するすずめバスの中でその報を受けました。本当にありがとう!」と喜びを綴った。『君の名は。』以来、7年ぶりの釜山では舞台あいさつを行い現地ファンと交流した。

その後、済州島でのサイン会を終えてソウルへ移動。30日にはソウルのホットスポットとなっているアニメイトホンデ店でのサイン会も行った。このサイン会は新海監督が訪韓中に観客が500万人を超えたことへの感謝イベントとして急きょ設定されたが、150人の枠に1晩で7000人近い応募があったという。

新海監督は地元の焼肉や海鮮、スイーツ類も堪能しメディア各社の取材にも応じた。韓国の6人組ガールズグループ・IVE(アイヴ)のファンであることを明かしていた新海監督の元にIVEから直筆サインが届くサプライズも。新海監督は「韓国での取材で何度もIVEが好きだと言っていたら!なんと!IVEの皆さんからサインをいただきました!やばい!!ありがとうございます!!」「こんなことがあって良いのでしょうか、、、明日からの仕事、もっとがんばります、、、。」と感激していた。


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【海外の反応】「すずめの戸締まり」中国で興行収益記録を更新で日本アニメで歴代1位に。北米では公開4日で「君の名は。」超えを達成!

【記事】

新海誠監督『すずめの戸締まり』が北米公開!公開4日で『君の名は。』超えの興収を記録

世界中で大フィーバーを起こしている『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(4月28日日本公開)が、2週連続で首位に立った先週末(4月14日から16日)の北米興収ランキング。3日間の興収は、2週目末の成績としては歴代7位となる9234万ドル。前週に続いて2位に10倍近い興収差を付けた圧勝となれば、この勢いはまだまだ止まりそうにないだろう。

週末時点で北米累計興収3億5000万ドルを突破した『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』。公開から12日目での3億5000万ドル到達は歴代で12番目の速さ。近年のヒット作と比較すれば『トップガン マーヴェリック』(22)の15日目、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(22)の14日目を上回っており、現時点で北米におけるアニメーション映画歴代1位の興収を保持している『インクレディブル・ファミリー』(18) の11日目に次ぐ速さとなる。

また北米を除いた海外興収も3億5000万ドルに到達しており、全世界興収はすでに7億ドルを突破。イギリスやドイツ、オーストラリア、メキシコなど28のマーケットでは2023年公開作のNo. 1ヒット作となっており、主要マーケットではあと韓国と日本が今月末に公開を控えている。イルミネーション作品の全世界興収No. 1は、『ミニオンズ』(15)の11億5900万ドル。まずはそれを超えることが当面の目標だろうか。

一方、ランキング上位10作品中5作品が入れ替わる新作ラッシュのなか、7位に初登場を果たしたのは新海誠監督の『すずめの戸締まり』(日本公開中)。2170館で公開され、3日間の興収は500万ドルほど。公開規模は大きく異なるが、『君の名は。』(16)の北米での興行成績を公開4日目の月曜日に塗り替え、累計興収800万ドルほどだった『天気の子』(19)をすぐに上回る勢いだ。

同じクランチロール配給で昨年北米公開を迎えた『呪術廻戦0』(21)や『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』(22)、『ONE PIECE FILM RED』(22)と比較すると数字のうえではやや見劣りするが、それは作品のタイプの違いによるものだろう。ちなみに中国でも現在進行形で大ヒットを記録しているようで、公開からわずか1か月ほどで中国国内の興行収入が日本国内の興収(144.8億円)を上回ったとの報道も。

批評集積サイト「ロッテン・トマト」では批評家の96%から好意的評価を獲得している『すずめの戸締まり』。同サイトに投稿されたレビュー数は前述の3タイトルを上回っており、批評家からの注目度の高さとそれに的確に応えていることが数字に表れている。この高評価は、新海監督の前2作が届かなかったアカデミー賞の長編アニメーション賞への後押しとなることだろう。

文/久保田 和馬

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【記事】

新海誠『すずめの戸締まり』が海外興収歴代1位の日本映画作品に アジア圏で絶大な支持を受ける理由

新海誠監督のアニメーション映画『すずめの戸締まり』の中国本土での興行収入が、7億5200万元(約146億6700万円)に達し、日本での興行収入144.8億円を上回った。4月17日に中国メディア・新京報などが報じている。

これにより、『すずめの戸締まり』は日本映画作品における海外興行収入1位を達成。新海誠監督として、初の日本の興行収入を上回る作品となった。

新海誠監督はTwitterで、「国内で興収100億を超えた作品で、海外一国がそれをさらに上回るというのは史上初」「個人的には、日本のアニメーションの世界興行が別のフェーズに入ったと実感しています」とコメントしている。

アジア圏から絶大な支持を得る『すずめの戸締まり』

『すずめの戸締まり』は日本では2022年11月11日に公開。日本各地の廃墟を舞台に、災いの元となる“扉”を閉める旅をする少女・鈴芽(すずめ)と閉じ師の青年・草太の冒険物語だ。興行通信社によれば、4月16日時点で国内での興行収入は144.8億円を記録。国内公開映画として歴代14位にランクインしている。

2023年3月以降、香港・マカオ・台湾・インドネシア・フィリピン・マレーシア・シンガポール・韓国・ベトナム・中国などで公開され、すべての国と地域でデイリーランキング1位を獲得。特に中国では、4月4日までに興収6.11億元を突破。前作『君の名は。』(5.74億元)を上回り、中国で公開された日本映画史上トップの記録の更新した。

同じく韓国でも、4月15日まで累計観客数448万2051人を記録。日本映画トップの記録であると同時に、『君の名は。』『すずめの戸締まり』が、韓国公開の歴代日本映画興行トップ3入りを果たした。

『すずめの戸締まり』が海外興収歴代1位の映画作品に

新海誠監督のツイートによれば、「国内で興収100億を超えた作品で、海外一国がそれをさらに上回るというのは史上初」。加えて、海外での興収歴代1位の日本映画になったという。たとえば、日本の興収歴代トップとなる404.3億円を達成した『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は、日本に次ぐ数字を記録した米国で約66億円(4950万ドル)。全世界で約517億円を叩き出し、2020年公開の映画で世界トップの興収を記録しても、国内100億円超えの興収を海外で上回ることは難しい。

ちなみに国内100億円未満の作品では前例がある。2014年に公開された『STAND BY ME ドラえもん』は日本で興収83.8億円を記録。中国では約116億円を達成した。

1990年代では、98年公開の『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』が日本で72.4億円。米国では約115億円を記録している。

なぜ中国・韓国でヒットするのか 新海誠人気の土壌

なぜ『すずめの戸締まり』は中国と韓国でこれほど人気を集めるのか。

アニメジャーナリスト・数土直志さんは著書の中で、制作会社のコミックス・ウェーブ・フィルム常務取締役・角南一樹さんの言葉を紹介している。

(韓国における新海誠人気について)若者が感じる息苦しさ、受験戦争の厳しさに代表されるような生活環境が、新海誠の描く青春像の理解につながっている。「主人公は自分でないか」と。それは日本、韓国、中国といった東アジアで特に感じられているのではないか。 数土直志『日本のアニメ監督はいかにして世界へ打って出たのか?』(星海社新書)

韓国の苛烈な競争社会は日本でもよく知られ、世界1位の深刻な少子高齢化国家でもある。日本が抱える課題をより先鋭化させたような印象もある。

中国も社会主義的な監視国家として、その閉塞感が報道などで伝えられることが多い。そういった「息苦しさ」への共感から出発した新海誠監督の物語は、アジア圏の抱える課題とリンクするのかもしれない。

『君の名は。』の大ヒットがあった中国では、それ以前から新海誠監督作品の人気は高い。

同著によれば、中国のアニメスタジオ・ハオライナーズとコミックス・ウェーブ・フィルムが共同制作したアニメ映画『詩季織々』も、そうしたつながりを象徴すると指摘。実際、2018年に日本でも公開された同作は、中国側の制作会社の代表であるリ・ハオリンさんが、『秒速5センチメートル』(2007年)を観て新海誠監督に憧れ、熱烈なオファーを送り続けたことで始動したプロジェクトだ。3本の短編からなるオムニバスという構造に加えて、3本のうち1本では、淡い初恋を瑞々しく繊細に描くなど、『秒速5センチメートル』へのオマージュが散りばめられている。

一方、韓国での人気について同著では、新海誠監督を世に知らしめた『ほしのこえ』(2002年)から始まっており、以降の新海誠作品全てがライセンスされていると紹介。新海誠監督が海外のイベントや映画祭に本格的に訪れたのも、韓国が最初だという。2000年代から積み上げてきた信頼と人気が、最新作『すずめの戸締まり』の中国・監督における大ヒットにつながっている。

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【海外の反応】大朗報! アメリカで14日公開された「すずめの戸締まり」、批評家の96%、観客の99%絶賛で海外騒然!!【すずめの戸締まり 海外の反応まとめ】

[海外の反応コーナー]

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【記事内容】

「すずめの戸締まり」アメリカで公開。批評家の96%、観客の99%が絶賛

新海誠監督の「すずめの戸締まり」が、現地時間14日、北米公開された。英語のタイトルはシンプルに「Suzume」。英語字幕版と英語吹き替え版のふたつのバージョンでの公開だ。限定ではなく全国規模の公開であること、今月上旬にはロサンゼルスのアカデミー映画博物館で吹き替え版のプレミアを華やかに行ったことなどに、北米配給を手がけるクランチーロールの自信が見える。

人々の反応を見るかぎり、その読みは正しかったようだ。批評サイト「Rottentomatoes.com」によれば、現時点で、批評家の96%、観客の99%が、この映画を褒めているのである。新海監督の最近作を振り返ると、「君の名は。」は批評家が98%、観客が94%、「天気の子」は批評家が92%、観客が96%だった。毎回、非常に高い評価を得ているが、今回、観客から99%を得たというのはすごい。もっとも、まだ公開から2日なので、この後変化していく可能性はある。しかし、まずは批評家がどう言っているかを見てみよう。

批評家は、口を揃えてビジュアルの美しさを絶賛。また、2011年の東北地方太平洋沖地震をいう大きなテーマに、成長物語、ファンタジーを組み合わせた独自のストーリーを褒めている。

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「Los Angeles Times」のトップ批評家ジャスティン・チャンは、「ティーンを主人公にした感傷的なファンタジーの中で自然災害に触れるのは、新海監督にとって初めてではない。この映画は『君の名は。』ほどの美しい複雑さや感動の強さを達成してはいないものの、魔法のブレンドの仕方、フィーリングに魅了されてしまう。『君の名は。』と、それに続く『天気の子』同様、『すずめの戸締まり』は日本で大ヒットした。北米でも拡大公開されるのはふさわしいこと。吹き替え版と字幕版の公開だが、私は字幕版を見た。あなたたちもそちらで見るべきだ」と書いた。

彼はさらに、「核心の部分で、これは楽観的な物語。鈴芽が子供時代に受けた悲しみも、彼女を育ててくれた叔母との関係も、癒やすのは不可能ではないのだ。これはまた、日常の中で他人に優しくすることについても語る。それに、お腹の空いたこの主人公に差し出される食べ物の美味しそうなことったら。これは新海監督の映画でいつものことながら、決して飽きることはない」とも述べている。

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「New York Times」のマヤ・フィリップスは、冒頭で新海監督と宮崎駿監督を比べた上で、「比較はここまでにしておこう。なぜなら、新海監督は『すずめの戸締まり』で、彼ならではのものをたっぷりと見せているのだから。彼は古い魔法、新しい魔法、神、インスタグラム、テキストメッセージなどが混じった、非常にモダンな世界を作り上げてみせたのだ」と書く。フィリップスはまた、3本脚の椅子になった草太がもたらすコメディや、その恋愛よりも鈴芽と亡くなった母の関係に重点を当てていることについても褒めた。

その一方で、「成長、喪失ということのメタファーではあるが、この世界のルールがしっかり説明されないことが、ストーリーを弱くする。まっすぐ環境問題を扱うのか、それに触れるただのフィクションなのか決められなかった『天気の子』と似ている」とも指摘。キャラクターのモチベーション、魔法の理論などが疑問を感じさせ、それが「『すずめの戸締まり』を、魅力的でありながら、フラストレーションも感じさせる映画にしている。映画の最初に約束したことを、完全に達成はしないのだ」と述べた。

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「RogerEbert.com」のブライアン・トレルコは、4つ星満点中、3つ星をこの映画に与える。批評の冒頭で、彼は「新海誠の映画が広く愛されるのはなぜなのか」と問いかけ、まずはビジュアルのクオリティを挙げた。その上で、「だが、アニメーションの美しさだけではない。彼は、日本に特定した話でありつつ、国境を越えて共感できる話を語るのだ。『すずめの戸締まり』も、日本の歴史、日本人が持つ恐れについてダイレクトに語るのだが、そのトラウマと不安を誰もが自分のことのように感じさせるのである」と書く。

しかし、彼はまた、「『すずめの戸締まり』は新海監督の最近のヒット作に比べ、長いと感じさせる」ともいう。「予想しなかったところでダレるのだ。とくに前半の『何が起こっているのか』を語るやりとりがある前半。私としては、比較的落ち着いたラストの部分がもっと好きだった。そこで鈴芽は家族の歴史に直面し、フィルムメーカーはこの映画の感情の核を見つける」と書いた。

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観客の意見はといえば、「Rottentomatoes.com」に寄せられた250以上の評をざっと見てみると、圧倒的に5つ星が目立つ。時々4つ、3つ半などがたまに混じる程度で、大絶賛されているのは明らかだ。それらの評の多くは、ビジュアル、ストーリー、音楽、CGIを絶賛している。

新海監督の過去作と比べてどうかについては、「これは最高作品」という意見もあるし、「最高とまではいかない」「『君の名は。』ほどではない」という意見も見られて、さまざま。そこに関しては人によるということだろう。それでも、ここまで満足度が高ければ、オープニング成績はもちろんのこと、その後しっかりと売り上げを伸ばしていくことも期待できる。今週末に出てくる数字を楽しみにしたい。

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【海外の反応】超絶朗報!「すずめの戸締まり」中国、韓国の両国で、日本映画として歴代1位の興行収入を達成!! 中国での興行収入は約140億円に到達!

【人民日報 記事】

「すずめの戸締まり」の中国での興行収入が「君の名は。」超えて日本アニメ作品で歴代最高に

日本のアニメーション映画「すずめの戸締まり」の中国における興行収入が今月4日、累計5億7500万元(1元は約19.4円)を超え、同じく新海誠監督作品であるアニメ映画「君の名は。」を上回り、中国で公開された日本のアニメーション映画の興行収入歴代最高記録を塗り替えた。この件を報じた記事掲載時点で、その興行収入はすでに7億元を突破している。

中国でこれまでに公開された日本のアニメーション映画の歴代興行収入トップ5は、上から順に「すずめの戸締まり」、「君の名は。」、「STAND BY ME ドラえもん」、「千と千尋の神隠し」、「天気の子」となっている。そのうち、「すずめの戸締まり」と「君の名は。」、「天気の子」はいずれも新海誠監督の作品だ。

「すずめの戸締まり」は、17歳の女子高校生・岩戸鈴芽が「閉じ師」の宗像草太と出会うストーリー。2人は日本各地にある災いの元となる「扉」を探して閉め、要石で封印していた日本列島の下をうごめくミミズの暴走を防ぐべく、冒険に出る。「すずめの戸締まり」は、新海誠監督らしい作風となっており、繊細な情景描写が美しく、独特の雰囲気が漂っている。これは新海監督作品の特徴の一つでもある。どのシーンもスマホやPCの待ち受け画像(壁紙)に適しているほどのクオリティのため、中国において新海監督は「壁紙系」監督と呼ばれている。映画に登場する電車や線路、海、空なども、お馴染みのシーンとなっている。(編集KN)

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【記事内容】

『すずめの戸締まり』、中国本土公開を果たした日本映画として歴代1位に

【4月14日 CGTN Japanese】新海誠監督の新作『すずめの戸締まり(中国題:鈴芽之旅)』が3月24日から中国本土で一般公開されています。本土での興行収入は4月13日までに7億1900万元(約139億円)となり、監督自身の作品『君の名は。(中国題:你的名字)』(2016年に中国本土で公開)の5億7500万元(約111億円)の記録を超え、中国本土で一般公開された日本映画として歴代1位に躍り出ました。

映画アプリ「猫眼専業版」のデータによると、13日午後3時の時点で、『すずめの戸締まり』の当日の興行収入は131万元(約2500万円)を超え、公開3週目にもかかわらずデイリーランキング2位となっています。映画業界の関係者によると、中国本土では、封切りから公開終了までの公開期間は一般的に1か月とされていますが、反響がよければ、公開期間の延長を申請することができるということです。こうした反響の良さから『すずめの戸締まり』は、公開期間が3か月間に延長される可能性も出てきました。こうした状況下で、この作品の中国での興行成績はさらに伸びると予想されています。

新海誠監督は中国でもファンが多く、2016年に中国本土一般公開を果たした『君の名は。』は5億7500万元の興行収入を記録しました。新海監督は7年後、『すずめの戸締まり』で、自身が樹立した記録を塗り替える形になりました。

『すずめの戸締まり』の一般公開に先立ち、新海監督は制作スタッフとともに北京と上海でプロモーション活動を行いました。3月17日には北京大学で中国プレミア上映会、3月19日には、上海でIMAX版プレミア上映会が行われ、新海監督が舞台挨拶で作品制作に臨む心境などを語りました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News

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【朝鮮日報 記事】

興行成績:新海誠監督作品『すずめの戸締まり』448万人突破…韓国公開の日本映画で最高記録

【NEWSIS】日本のアニメーション映画『すずめの戸締まり』が、シンドロームを巻き起こした日本の人気漫画『SLAM DUNK』の劇場版アニメーション『THE FIRST SLAM DUNK』を抑え、今年韓国で公開された映画のうち最高記録を打ち立てた。

映画振興委員会の映画館入場券統合ネットワーク(15日発表)によると、新海誠監督が演出を手掛けた『すずめの戸締まり』は、前日までに韓国で通算観客動員数448万2045人を記録したという。先月8日に公開されてから38日目のことだ。

今年公開された作品のうち、これまで興行成績1位だった『THE FIRST SLAM DUNK』(この日午前0時現在、通算観客動員数446万9649人)を超えた。そして、韓国で公開された日本映画のうちトップ1の座まで一気に手にした。

また、新海誠監督は『君の名は。』に続いて『すずめの戸締まり』まで2作品が、韓国で公開された日本映画のうち興行成績トップ3に入るという勢いを見せた。それだけでなく、前作『君の名は。』(381人)、『天気の子』(74万人)を合わせ、韓国で通算観客動員数900万人を突破した初めての日本人監督となった。

なお、先月初めに来韓した新海誠監督は韓国のファンたちの声援に応えるため、27日-30日にかけて、再び韓国を訪れる。『すずめの戸締まり』のオリジナル・サウンド・トラックの主人公である日本のバンドRADWIMPSも5年ぶりに来韓し、今年7月21日午後7時30分からソウル市広津区のライブホール「イエス24」で公演を行う。

【記事内容】

「すずめの戸締まり」歴代1位 韓国で大ヒット、449万人動員

【ソウル時事】韓国で公開された新海誠監督(長野県小海町出身)のアニメ映画「すずめの戸締まり」は14日、観客動員数が449万人(チケット購入分を含む)を超え、日本映画として歴代1位となった。

日韓関係改善の流れで、日本への関心が高まっている。日本のアニメ映画では、3月に歴代最多の記録を塗り替えたばかりの「THE FIRST SLAM DUNK」も448万人を動員。トップの座を競っている。

映画は九州で暮らす17歳の女子高校生・鈴芽が、災いの元となる「扉」を閉めるため、兵庫県など全国各地を旅する物語。東日本大震災の記憶をテーマに、福島県などの被災地も描いた。韓国では3月8日に公開され、10~30代の若者を中心に人気を博している。 

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【韓国の反応】アニメ『すずめの戸締まり』、韓国で公開された日本映画で興行1位「カウントダウン」←新海誠作品全般のレビュー有【中央日報 記事より】

[海外の反応コーナー]

【韓国 中央報記事】

《アニメ『すずめの戸締まり』、韓国で公開された日本映画で興行1位「カウントダウン」》

新海誠監督のアニメ『すずめの戸締まり』が先週末、韓国動員観客数430万を突破した。この流れで行けば『THE FIRST SLAM DUNK』(444万)を追い越し、韓国で公開された日本映画の興行で1位にランクインする見通しだ。

『すずめの戸締まり』は『君の名は。』(2017年、381万)、『天気の子』(2019、74万)に続き、災害を扱った3部作のうち最後の作品となる。本作は前作2本に続いて日本では動員観客数1000万を超えことに続き、中国では2000万を突破して日本アニメ映画の興行1位に君臨した。本作の興行で、新海監督は当代の日本アニメを代表する監督としての地位だけでなく、世界的なファンダムを改めて証明した。新海監督の作品に観客が熱い反応を示す理由はいろいろあるが、「世界」を一つのキーワードに挙げることができる。新海監督にとって世界は映画のストーリーを構成する最も重要なフレームだ。2つの世界が衝突したり、隠されていた世界が現れたりして、各自の世界に属した2人が共感することによってそのドラマがはじめて完成される。

『君の名は。』のモチーフになったZ会のCM『クロスロード』(2014年)で新海監督は出会うはずのない2人が出会う過程を2分間のランニングタイムに表現した。それぞれ違う世界に属した男女の遭遇というテーマを本格的に表現した最初の作品は『ほしのこえ』(2002年)だ。地球の少年と遠く離れた宇宙にいる少女が携帯電話ショートメッセージサービス(SMS)で交信する。メッセージが到着するのにかかる時間はますます長くなり、15歳ときの少女が送ったメッセージは少年が24歳の青年になったときに到着する。『君の名は。』では田舎に住む三葉と東京に住む瀧が3年の時差を置いて体が入れ替わる。『秒速5センチメートル』(2007)と『言の葉の庭』(2013)もロマンスを扱っているが、男女が属した世界の違いによって生じる関係の不可能を示す。

新海監督はよく「もう一つの世界」を作り出すこともある。始まりは『雲のむこう、約束の場所』(2004)だが、この映画にはミステリアスな巨大な塔が登場する。『星を追う子ども』(2011)には伝説の都市アガルタが登場するが、ここでは死者と会うことができる。『天気の子』には雲の中に存在する水のエコシステムが登場し、『すずめの戸締まり』には災難を作り出す巨大な「ミミズ」とそれを阻止しようとする「閉じ師」の世界がある。

この世界は隠されているため人々には見えないが、新海監督のアニメの中ではファンタジーの空間となって現実と衝突する。このように見ると「新海ワールド」は20年余り前からテーマやモチーフに変化はなく、反復と変奏を通じて作られた似たような作品世界のように感じられる。

雨のしずく一粒、小さな光一筋も逃さずその動きと質感を表現するビジュアルは実写よりも繊細に現実のディテールを表すが、このような作画方式は新海ワールドを構築するもう一つの柱だ。その中で作られる物語は観客の想像力を刺激し、エンディングクレジットが流れるとき、竜巻が通り過ぎたあとのような感情的経験を感じることができる。

特に災害を扱った「3部作」と呼ばれる最近の3本の映画は以前とは違った爆発的な反応を得て新海監督の作品世界を拡張させた。失敗したロマンス、すれ違った関係から始まる儚い感性を繊細に描いた新海監督の視野が広くなる決定的契機は2011年東日本大震災だった。「アウシュビッツ以降、叙情詩を書くのは野蛮」と語ったドイツ哲学者アドルノのように、これもまた人類史的悲劇を目撃した後、芸術家的責務に目を開き、巨大災難が荒廃化させた現実で私たちは果たして何をするべきかという話題を作品に込め始めた。

その始まりともいえる『君の名は。』は東日本大震災に対するメタファー(隠喩)だ。時間を超えてなんとかして災害を食い止めようと孤軍奮闘する2人の主人公の強い意志に全世界が呼応した。特に韓国人観客が強く共感した理由は、新海監督も直接明らかにしたようにセウォル号事件との接点があるためだった。「安心して静かにしていなさい」というセリフは彼がセウォル号事件に影響を受けて取り入れたものだった。

『天気の子』はさらに一歩先に進む。主人公である家出少年・帆高は災害が再び起こっても愛する少女陽菜と生きていこうと決心する。大切なある生命を犠牲にする代わりに、災害の状況に耐えて生きていくという意志の表れだった。

そして『すずめの戸締まり』は、『君の名は。』よりもさらにストレートな手法で東日本大震災という歴史的事件に迫り、集団的トラウマに触れようとする。災害で母親を失った17歳の少女・鈴芽は草太とともに地震を未然に防ぐために東奔西走し、最終的に子どもの頃の自分と出会い、その子どもを慰める。さまざまな困難が降りかかる旅程を経て一回り成長した鈴芽を通じて、監督は悲劇に対する共感と克服の意志、これらを通じて成長する若者世代の姿を描き出した。

この映画が3部作の締めくくりとして意味があった点は、改めて思い出すことすら苦痛な東日本大震災とその廃虚の現場をもう一度取り出して癒やすということだ。「過去の恐ろしい災害を冷遇するばかりでは、対面しなければ決してトラウマを克服できない」としながら。これは今も心の傷が残っているのに、あまりにもはやく忘却した悲劇的過去に対する哀悼の方法でもある。

事実、大災難は特定地域だけの問題ではない。5万人余りが死亡したトルコ(テュルキエ)地震、世界各地で発生する気候災害など、誰も災害の危険とは無関係ではいられず、それによる喪失感は人類が共有する普遍的感情だ。だからこそ新海監督の最近作が世界の観客に長い余韻とともに強い情緒的響きを与えているのではないだろうか。決して容易ではないテーマを長い歳月にわたって辛抱強く扱い、渾身を込めた新海監督の努力が興行成績以上の評価を受けてしかるべき理由だ。

キム・ヒョンソク/映画ジャーナリスト

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[雑記]

なかなか的確に新海作品をレビューしていたのでご紹介。でも「ほしのこえ」が(2002年)とあって、年月の経つ速さに軽く絶望した(苦笑)。久屋大通のところにあった時代の「とらのあな」。その一階で流れていた「ほしのこえ」のデモ映像を見て、ほぼ一目惚れで購入した記憶が。。。


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【海外の反応】「すずめの戸締まり」僅か10日で中国での「君の名は。」興行成績を抜く超大ヒット!! 韓国でも「君の名は。」の観客動員数突破【すずめの戸締まり 海外の反応まとめ】

[海外の反応コーナー]

【記事内容】

【新海誠監督『すずめの戸締まり』中国で大ヒット わずか10日で『君の名は。』超え】

新海誠監督のアニメーション映画『すずめの戸締まり』(海外では『Suzume』)が中国で先月24日から公開され、わずか10日ほどで中国で公開された日本のアニメーション映画として歴代最高記録を更新する、大ヒットとなっている。

中国での興行収入は、4日までに6.11億元(約117億円※1中国人民元=19.15円)を記録。これまで1位だった新海監督の『君の名は。』(5.74億元)を軽く超えてしまった。中国では、『すずめの戸締まり』と同時期にハリウッド映画の『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』や『65/シックスティ・ファイブ』も公開されたが、それらよりも「『Suzume』が優勢」と米メディアが伝えるほど。

2月に開催された「第73回ベルリン国際映画祭」で上映されたのを皮切りに、世界各国での上映がスタート。4月3日時点で11の国と地域で公開され、香港・マカオ・台湾・インドネシア・フィリピン・マレーシア・シンガポール・韓国・ベトナム(公開順)でも初登場1位を獲得している。

新海監督は、ベルリンからパリ、ロンドン、ソウル、北京、上海、ニューヨーク、メキシコシティ、ロサンゼルスと、まさに地球を一周するワールドツアーも実施し、海外でも精力的に作品をPR。今月13日以降、欧米やインド、タイ等でも順次公開となる。

最新の全世界興収(4月3日時点)は約317億円、動員約3547万人。そのうち、日本での興収(4月3日時点)は143億9081万6580円、1085万4361人(※11月7日実施のIMAX先行上映分含む)。

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【記事内容】

新海誠「すずめの戸締まり」アジアでの大ヒットに感謝「異国の映画を愛してくれてありがとう!」

アニメ映画「君の名は。」「天気の子」などの作品で知られる新海誠監督が5日までにツイッターを更新。最新作「すずめの戸締まり」の中国での興行収入が日本アニメとしての歴代最高を更新し、「異国の映画をこんなにも愛してくれてありがとう!」と感謝をつづった。

新海監督は「中国で『すずめの戸締まり』が公開わずか10日で興収5.7億元(約111億円)を超え、中国でそれまでの日本映画最高記録であった『君の名は。』を超えました」と報告。「中国の皆さん、心から感謝いたします。異国の映画をこんなにも愛してくれてありがとう!」とつづった。

また同作は韓国でもヒット。新海監督は「韓国で『すずめ戸締まり』が25日連続で1位、動員382万人を超え、『君の名は。』の動員数を上回りました。韓国の皆さんとお約束した通り、今月末に再び韓国にお邪魔します。皆さんとまたお話しできることを楽しみにしています!」とツイートした。

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【記事内容】

「すずめの戸締まり」大ヒット、中国の若者に告白ブーム―中国メディア

中国メディアの中国経済網は3日、新海誠監督のアニメーション映画「すずめの戸締まり」で中国の00后(2000年以降生まれ)に「告白」ブームが起きていると報じた。

3月24日に中国で公開された同作は、1日当たりの興行収入が10日連続で1位を獲得し続けるなど大ヒット。4月4日には「君の名は。」(5億7600万元)を超え、中国市場における日本アニメ映画歴代興行収入1位になった。

記事によると、同作の公開に合わせて、配給会社の「路画影視」と映画チケット予約アプリ「淘票票」は共同で「一緒に見る」サービスを開始した。利用者はアプリを通じてシェアすることで友人を映画に誘うことができる。この「お誘い」が成功すると、映画の鑑賞だけでなくプラットフォームの各種特典を受けることができるというものだ。

映画はカップルのデートとしても定番になっていることから、この新機能は特に若い世代から「告白の神器」として高い支持を得ているという。「淘票票」が公開したビッグデータによると、「一緒に見る」のお誘いの成功率は54%と高い数字となり、このうち60%は00后の利用者だった。「すずめの戸締まり」は若者層の支持が高く、この新機能を利用した人も少なくなかったという。

また、プラットフォームが「告白都市」として発表した、新機能利用者の多い都市のランキング上位は武漢市、杭州市、広州市、上海市、鄭州市、成都市、南昌市、南京市、重慶市、合肥市となり、比較的南方の都市のユーザーが多く利用していることが分かったという。(翻訳・編集/北田)

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【記事内容】

映画「すずめの戸締まり」韓国で25日連続興行ランキング1位…観客400万人突破の可能性も

映画「すずめの戸締まり」が韓国で1ヶ月近く興行ランキング1位の座を守り、長期ヒットを続けている。

2日、映画振興委員会の映画館入場券統合ネットワークの集計によると、昨日(1日)、「すずめの戸締まり」が27万837人の観客を動員し、日別ボックスオフィス1位を維持した。

「すずめの戸締まり」(監督:新海誠、輸入:メディアキャッスル、配給:SHOW BOX)は、偶然災難を呼ぶ扉を開くことになった少女の鈴芽が、日本各地で発生する災難を防ぐために必死に扉を閉めていく物語を描いたアニメ作品だ。

先月8日に韓国で公開され、昨日まで25日連続で日別ボックスオフィス1位を守り、累積観客動員数は356万6,951人となった。これで400万人突破の可能性も開かれ、注目を集めている。

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【記事内容】

「すずめの戸締まり」「君の名は。」の韓国語吹き替え版 5月に公開

【ソウル聯合ニュース】日本の新海誠監督のアニメーション映画「すずめの戸締まり」(2022年)と「君の名は。」(2016年)の韓国語吹き替え版が5月に公開される。映画輸入会社のメディアキャッスルが4日、発表した。韓国で3月8日に封切られた「すずめの戸締まり」は、公開6日目の13日に観客動員数が累計100万人を超え、今年韓国で公開された映画の中で最速の100万人動員を達成した。その後も人気は衰えず、公開13日目の20日に200万人、その1週間後の27日に300万人を突破した。

韓国映画振興委員会の集計によると、3月31日~4月2日の3日間に約58万1000人の観客を動員し、4週連続で週末の興行ランキング1位を記録した。累計観客動員数は4月3日時点で約382万4000人となった。

観客数300万人突破を受け、新海監督は4月27日から4日間の日程で来韓する予定だ。

韓国で2017年に公開された「君の名は。」も累計380万人を超える観客を動員し、人気を集めた。

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【韓国の反応】新海誠監督の「すずめの戸締まり」韓国での累計観客数が僅か20日で300万人突破! 公開当初の約束通り新海誠監督の再訪韓が決定!!【各種記事まとめ】

[韓国の反応コーナー]

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【朝鮮日報 記事内容】

《『すずめの戸締まり』、韓国で衰え知らずの人気…19日連続で興行1位》

【Pickcon】2023年に韓国で公開された映画のうち最速で観客動員数200万人を突破し、圧倒的な人気を誇っている日本のアニメーション映画『すずめの戸締まり』が、19日連続でボックスオフィス1位に立ち、ロングヒットとなっている。

『すずめの戸締まり』は、ひょんなことから災いを呼ぶ扉を開けることになった少女すずめ(鈴芽)が、日本各地で起きる災いを防ぐために扉を閉める旅に出る、というストーリーを描いた映画だ。『すずめの戸締まり』は、24日(金)から26日(日)にかけての週末に75万7469人の観客を動員し(映画館入場券統合ネットワーク調べ、27日午前7時基準)、3週連続で週末の動員数1位を記録。この週末観客動員数は、今年韓国で公開された映画の中で最も多い数字だ。『すずめの戸締まり』は、公開直後の週末には69万4239人、第2週の週末は71万2403人で、3週目に入っても観客数を伸ばすという異例の状況で、その人気は衰える気配がない。

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【聯合ニュース 記事内容】

《新海誠監督が再来韓へ 「すずめの戸締まり」300万人突破で》

【ソウル聯合ニュース】日本のアニメーション映画「すずめの戸締まり」が韓国で累計観客数300万人を突破したことを受け、新海誠監督がもう一度訪韓すると報告した。

韓国映画振興委員会が27日に発表した集計などによると、同作品の累計観客動員数は同日午後4時半ごろ、300万人を超えた。

300万人突破を記念してユーチューブで公開されたメッセージで新海監督は謝意を伝えたうえで、韓国の人たちが映画を楽しんでくれたことを実感し幸せを感じているとし、300万人を超えたので、約束通り韓国におじゃまし、皆さんの顔を見て直接感想を聞きたいなどと伝えた。

新海監督は同作品の韓国公開に合わせ今月初めに来韓。300万人を突破すれば、もう一度来韓すると約束していた。来月27日から4日間の日程で来韓する予定だという。韓国で今年公開された映画のうち累計観客数が300万人を超えたのは、日本のアニメ映画「THE FIRST SLAM DUNK」に続き2作目。

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【記事内容】

《「すずめの戸締まり」韓国で観客動員数が300万人突破へ…新海誠監督が4月末に再び訪韓!》

映画「すずめの戸締まり」の新海誠監督が、4月末に再訪韓する見通しだ。

27日、同作の関係者はマイデイリーとの取材を通じて「新海誠監督が韓国での記者懇談会当時、観客動員数が300万人を突破したら、韓国を再び訪問すると約束していた。本日(27日)午後、観客動員数が300万人突破を控えているだけに、公約を守るために再訪韓する予定だ」とコメントした。新海誠監督は4月末前後に再訪韓する予定で、現在スケジュールを調整中だという。

映画振興委員会の映画館入場券統合ネットワークによると、先週末の24~26日の間、同作は75万7,473人の観客を動員し、累積観客動員数296万4,848人を記録した。また、3週連続でボックスオフィス1位を獲得している。これは2023年に韓国で公開された映画の中で最も高い週末スコアという点でも注目を集めている。

特に同作は公開されてから1週目の週末に観客動員数69万4,239人、2週目の週末に71万2,403人を突破したことに続き、3週目にさらに多くの観客を動員する異例の現象を見せた。今年韓国で公開された映画のうち、最短期間で観客動員数が200万人を突破し、前代未聞の大ヒットを記録している。

「すずめの戸締まり」は、災いを呼ぶ扉を偶然開いてしまった少女の鈴芽が、日本各地で発生する災難を止めるために扉を閉めていくストーリーを描いたアニメ映画だ

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【記事内容】

《『スラムダンク』から『すずめの戸締まり』へ。新海誠監督も嬉しい「韓国での日本アニメ人気」》

韓国で日本のアニメ映画の人気が止まらない。

例えば、年明け早々に公開された映画『THE FIRST SLAM DUNK』は今もロングラン・ヒットを続けて、ついには累計観客動員数400万人を突破した。

今も週末興行ランキング・トップ3の常連で、自ら塗り替えた韓国における日本アニメ長編映画の観客動員数を更新中。最近は芸能人やスポーツ選手など著名人たちが、わざわざ日本にやってきて『SLAM DUNK』ゆかりの地を訪ねる“聖地巡礼”がニュースになるほどらしい。

また、今月3月3日には公開された映画『鬼滅の刃~上弦集結、そして刀鍛冶の里へ編』が公開になり、韓国映画振興委員会の映画館入場券統合ネットワークのデイリーランキングで初登場1位に。公開から3週間が過ぎた今も、週末の興行ランキングのトップ10に入っている。

そして今、最もヒットしている映画が『すずめの戸締まり』だ。

3月8日から韓国で公開され前出のランキングでいきなり1位になると、その後もデイリーランキングで毎日1位。週間ランキングでも3週連続1位となり、昨日3月27日には累計観客動員数300万人を突破したのだ。

公開20日目での300万人突破は、前出の『THE FIRST SLAM DUNK』をはかるに凌ぐスピード。そして、この300万人突破によってとある“公約”が実現することになった。新海誠監督の来韓が決まったのだ。

実は新海監督、今月3月8日にも『すずめの戸締まり』のPRのために来韓。その際に「観客300万人を突破したら、また韓国に来たい」と語っていた。

それからわずか20日で公約を実現することになり、韓国の日本アニメ・ファンたちも大いに歓喜しているわけだが、改めて感じ感じるの韓国における“新海監督人気”だ。

2017年2月に公開された『君の名は。』や、2019年10月に公開された『天気の子』も韓国で高く評価されたが、『すずめの戸締まり』の評はさらに良い。

韓国の最大手ポータル『NAVER』の映画記者・評論家による『すずめの戸締まり』の採点は、10点満点中7.79点。同じく『NAVER』評価で6.57点だった『天気の子』だけではなく、7.55点だった『君の名は』よりも高く評価されている。

映画雑誌『シネ21』の評論家採点も7.56。『すずめの戸締まり』は2011年東日本大震災をモチーフに作られた作品だが、「アニメーションが、喪失の兆候をいかに癒せるかについての素晴らしい答え」「災難で傷ついた世界を希望で覆う新海流の縫合術だ」と高く評価していた。

新海誠監督といえば「光の魔術師」とも言われる画風と、その映像美と融合した音楽が有名だが、韓国では彼が作品に込めたメッセージを高く評価する声が多く、その名には「日本アニメ界の巨匠」との冠詞がつくほどになっているほどなのだ。

もっとも、そんな「日本アニメ界の巨匠」もかつてはゲーム会社に勤め、不遇時代はアダルトゲームのオープニングアニメーションを手掛けたこともあった苦労人。

ただ、初の長編作品となった『星のむこう、約束の場所』が2005年のソウル国際漫画アニメーションフ・フェスティバルの優秀賞を受賞。韓国のアニメ・ファンたちの間ではこの頃からその名が知られるようになった。つまり、15年以上前から新海監督と韓国の関係は始まっていたのだ。

「僕の作品を初めて映画だと認めてくれたのは韓国の観客たち」とは、2019年10月に『天気の子』PRのために韓国で開いた記者会見で新海監督が放った言葉だが、新海監督ほど韓国のアニメ・ファンたちに愛されている“巨匠”もいないだろう。

2007年の『秒速5センチメーター』の際には自らの名を韓国語で書いたサインをファンに渡す気配りが話題になり、『君の名は』の公開に合わせて2017年に来韓したときは、「スタッフの中には韓国人もいます。僕にとって最も身近な外国ですね」と語った韓国愛が話題になったこともある。

今年3月に『すずめの戸締まり』のPRのために来韓した際もこんな発言をして、韓国のアニメ・ファンたちから多くの共感を呼んだ。

「韓国の観客が日本のアニメを好きになってくれて嬉しく思う。人気のその理由のひとつは、韓国と日本が少し似ていることがあるからではないかと思う。韓国に来ると日本と似ていると思うし、ある時は“懐かしい”と思うこともある。そのため韓国の観客が日本のアニメを楽しんでくださり、逆に日本では韓国ドラマをたくさん見たりしているのだと思う。日本と韓国は政治的には良い時も悪い時もありますし、それが繰り返されていますが、文化的にはお互いに強く繋がることを願っています」

それだけに300万人突破でふたたび韓国にやってくる新海監督が、今度はどんなメッセージを発するかに注目と期待も集まっている。

報道によると公約を守るための来韓は4月下旬を予定しているということだが、その頃には『君の名は。』が韓国で打ち立てた累計観客動員367万3876人は楽に超えていることだろう。もしかしたら今年2月に『THE FIRST SLAM DUNK』に譲った、韓国における日本アニメ長編映画歴代1位の座を、新海誠作品がふたたび取り戻しているかもしれない。

いずれにしても韓国の日本アニメ人気はまだまだ続きそうだ。

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【記事内容】

《「久しぶりに泣いた」韓国で絶賛…日本アニメで『スラムダンク』に続き『すずめの戸締まり』が海外大ヒットのワケ》

映画『THE FIRST SLAM DUNK』のロングラン・ヒットが続く韓国で、日本アニメの人気が止まらない。

今度は『すずめの戸締まり』だ。新海誠監督3年ぶりの新作として日本でもヒットした同作は、3月8日から韓国で公開されると、韓国映画振興委員会の映画館入場券統合ネットワークのデイリーランキングで初登場1位に。その後も1位の座を一度も譲ることなく15日連続で1位を記録し、3月21日には累計観客数200万人を突破した(3月23日時点で、累計214万1388人)。

韓国では『君の名は。』超えも期待

公開13日での200万人突破は、新海監督の代表作である『君の名は。』公開時に匹敵するほどのスピードなだけに、韓国では早くも『君の名は。』超えへの期待が高まっている。というのも、2017年1月に韓国でも公開された『君の名は。』は、累計367万3876人の観客を動員。それまで韓国で人気の日本アニメと言えば『ハウルの動く城』(261万4043人)などのジブリ作品だったが、『君の名は。』は数あるジブリ作品を退けて韓国における歴代日本映画興行ランキング1位になった(2017年5月)。

この『君の名は。』の大ヒットで韓国では「日本アニメーション界の巨匠」(通信社「聯合ニュース」)とされる新海監督だが、実は韓国のアニメ・ファンたちの間では『君の名は。』公開以前から知られた存在だった。

新海監督の韓国愛が話題に

その名が初めてクローズアップされたのは、新海監督初の長編映画となった『雲のむこう、約束の場所』(2004年)。同作が2005年のソウル国際漫画アニメーション・フェスティバルの優秀賞に輝いたことでその名が知られ、新作が完成するとそのプロモーションのために監督が来韓するのが定番化した。

2007年の『秒速5センチメートル』の際には自らの名を韓国語で書いたサインをファンに渡す気配りが話題になり、『君の名は。』の公開に合わせて2017年に来韓したときは、「作品を作るたびに韓国を訪れています。スタッフの中には韓国人もいるし、僕にとって最も身近な外国ですね。最も好きな料理もサムゲタンなので」と語った韓国愛が話題になった。

「僕の作品を初めて映画だと認めてくれたのは韓国の観客たち」

2019年夏頃から日韓関係が悪化したせいで『天気の子』の公開が予定よりも遅れて10月に延期されたときも、わざわざ来韓して記者会見を開き、「僕の作品を初めて映画だと認めてくれたのは韓国の観客たち」と語って拍手喝采を浴びたこともあるほどなのだ。

もちろん、今回も『すずめの戸締まり』の公開に合わせて韓国を訪問し、記者会見や韓国ファンとふれあう舞台挨拶も実施。韓国の映画監督や映画評論家たちと作品について語るトークイベントを開催するなど、アイドル並みの人気を誇っている。トークイベントに参加した20代のファンは「巨匠なのにいつも笑顔でやさしく親近感がある。何よりも作品が素晴らしい。今回の『すずめの戸締まり』も新海監督がかけた魔法のような作品」と、その魅力に取りつかれてしまったようだ。

韓国の人々が新海作品に惹かれる“3つのポイント”

では、韓国の人々は新海作品のどこに惹かれているのだろうか。

ひとつは映像美と融合した音楽にあると言われている。「アニメの世界で光を描くことに長けた“光の魔術師”とされる新海監督が、九州、神戸、四国、東京など日本各地の風景を繊細に表現した。その映像美と新海作品には欠かせないRADWIMPSの音楽が、20代の観客たちを大いに満足させている」としたのはエンターテインメント・メディア「OSEN」の作品評だが、映画マニアたちが集まるネット・コミュニティにも賛辞が絶えない。

「光や色使いなど演出が素晴らしい。その映像美を見るだけで劇場に足を運ぶ価値がある」

「映像美と音楽が良い。本当に久しぶりに泣いた」

「さり気ない背景すらも美しく見逃してしまった部分もある。また劇場に行こう」

さらに、そんな映像美と音楽をうまく融合させながら、メッセージ性のある物語を描いていることも新海作品の魅力だという。近年の新海作品は自然災害を風化させずに前向きに生きる物語であることが共通し、『すずめの戸締まり』も2011年東日本大震災をモチーフに作られているが、「OSEN」などは「今回も韓国の30代~40代の観客たちは新海誠が伝えようとする温かいメッセージに共感している」と、『すずめの戸締まり』のヒットの要因を分析している。

『すずめ』の採点は『君の名は。』『天気の子』より高得点

「OSEN」だけではない。韓国の最大手ポータルサイト「NAVER」の映画記者・評論家による『すずめの戸締まり』の採点は、10点満点中7.79点。同じく「NAVER」評価で6.57点だった『天気の子』だけではなく、7.55点だった『君の名は。』よりも好評だ。

人気と権威を誇る映画雑誌「シネ21」の評論家採点も7.56。『天気の子』のときは「脈絡なく再活用された前作のモチーフ」という辛辣な評価を受けたが、『すずめの戸締まり』に関しては評価が高い。

「アニメーションが、喪失の兆候をいかに癒せるかについての素晴らしい答え」「災難で傷ついた世界を希望で覆う新海流の縫合術だ」と、映画記者や評論家たちが絶賛しているほどだ。

観客動員数をどこまで伸ばすか?

それだけに今後注目されるのは、『すずめの戸締まり』がその観客動員数をどこまで伸ばすかだ。今年3月5日には『THE FIRST SLAM DUNK』の累計観客数が380万人を突破。『君の名は。』を抜いて韓国における歴代日本映画興行ランキング1位になった。『スラムダンク』はその後もロングラン・ヒットを続け、3月12日には400万人を超えたが、『すずめの戸締まり』は公開13日で200万人だ。その追撃が本格化すれば、新海作品がふたたび歴代1位の座に返り咲く可能性も十分にあるだろう。

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【海外の反応】新海誠監督の「すずめの戸締まり」、中国と韓国で記録的ヒットの模様! 中国では最初の週末で3億元(約57億円)超え、韓国ではスラムダンクの邦画新記録に迫る勢い!

【記事内容】

『すずめの戸締まり』中国プレミア上映 新海誠監督が再び「3年の約束」果たす

アニメ映画『すずめの戸締まり』の北京・上海キャンペーンに合わせ、新海誠監督が16日に中国を訪れ、中国の映画ファンたちとの2度目の「3年の約束」を果たしました。

「3年の約束」とは、新海監督の代表作の一つ『秒速5センチメートル』になぞらえた言葉で、2016年に『君の名は。』のキャンペーンで中国を訪れた際に、「3年後に新作と共に戻ってくる」と約束したことを指します。その後、2019年に『天気の子』のキャンペーンで約束を果たした新海監督は、中国のファンに再び「3年の約束」をしていました。今回、北京に到着した際に、新海監督は、「(新型コロナウイルス禍などがあり)こんなに早く中国に来られると思っていなかった」と、2度目の約束を果たせたことに喜びを見せました。

北京・上海キャンペーンは16〜20日にかけて、両都市でのプレミア上映を中心に行われ、17日にはメインイベントとして北京大学の百周年記念講堂で「すずめの戸締まり~春への約束~」北京プレミア舞台挨拶が実施されました。その中で新海監督は2000人を超える学生と交流し、サプライズとして手書き風デザインの中国版オリジナルポスターを公表しました。また、主題歌「すずめ」の中国版をカバーした歌手の周深(ジョウ・シェン)もサプライズ登場し、監督との交流で現場を一層盛り上げました。

本作に東日本大震災が題材として取り入れられている点について学生が言及すると、新海監督は「当時、中国も多くの援助をしてくれた。また、2008年に四川大地震が起きた時には、日本からも多くの人がボランティアとして現場に赴いた。両国が助け合ったように、私達は常に身の回りの人たちと支え合いながら生きていると感じる」と語り、身近な人と励まし合い、助け合うことの大切さを強調しました。

また、監督は中国の印象的なアニメ作品として『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』を挙げ、「素晴らしい映画で、感激した。同じくネコのキャラクター(羅小黒)が出ていたので、大臣(『すずめの戸締まり』に登場するネコ)の動きの参考にもした」と語りました。

『すずめの戸締まり』は、3月24日に中国本土で一般公開されます。すでに前売り券の販売が4000万元(約7億6125万円)を突破しています。(文責:張怡康、校正:梅田謙、写真:『すずめの戸締まり』公式より)

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【記事内容】

「すずめの戸締まり」中国公開、初日興収18億円の大ヒットスタート

日本では2022年11月11日に全国公開され大ヒット上映中の『すずめの戸締まり』が、この3月から海外公開を順次開始している。3月24日からはなかでも注目度の高い中国での上映がスタートし、期待どおりの大ヒットになっている。

公開初日の24日は平日の金曜日であるにも関わらず、順調に動員を積み上げた。この日は最終的に約9500万元(約18億円)超にまで達し、2位以下を大きく引き離した。週末の土曜日、日曜日にはさらに動員を伸ばし、週末興行収入は数億元規模になりそうだ。週末興行1位はほぼ確実とみられる。

初日の数字は2016年公開で同じ新海誠監督の『君の名は。』の約7600万元を超える。今後は日本映画として中国最大のヒットになった『君の名は。』の最終5.7億元に『すずめの戸締まり』がどこまで迫り、さらに新たな日本映画記録が生まれるかが焦点だ。

日本映画はコロナ禍もあり、ここ数年は中国公開の本数も減少し、興行も力が欠けていた。『すずめの戸締まり』が、これを反転させるのかにも注目が集まる。その結果は、4月20日の中国公開決定が話題を呼んでいるさらにその先の『THE FIRST SLAM DUNK』につながるだろう。

大ヒットの理由は、中国でも人気になった『君の名は。』、『天気の子』の新海誠監督の最新作と注目の高かったことにある。当初から大型作品としてプロモーションに力をいれていた。前売りだけで売上は8000万元を超えている。

加えて公開直前にベルリン国際映画祭でオフィシャルコンペティションに選ばれたことで話題が増した。さらに公開に合わせて新海誠監督自身が北京や上海を訪れたことで、メディアの露出が増えている。こうしたリーリスのスケジュールの組み立てが効果を発揮している。

『すずめの戸締まり』は、すでに韓国、台湾、香港、ベトナム、フィリピン、マレーシア、シンガポールなどアジア各国で公開されているが、いずれも週末興行ランキングで1位を獲得した。今後は4月12日から13日にかけて一斉に公開する北米、ヨーロッパ、ラテンアメリカの動向が注目だ。

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【記事内容】

映画「すずめの戸締まり」、中国公開初日から記録更新!=前売りだけで22億円

24日に中国で公開された新海誠監督のアニメーション映画「すずめの戸締まり」について、大ヒットするとの予測が出ている。

中国のエンタメメディア・捜狐娯楽によると、同作は中国での初日分の前売りだけで興行収入6000万元(約11億円)を突破、2日目以降も含めた前売りの総興行収入は1億1600万元(約22億円)に達しているといい、同記事は「日本での公開直後の成績を大きく上回った」と報じている。

また、中国での初日の上映割合は43%(※映画館での100回の上映のうち同作が43回を占めるという意味)、上映回数は延べ16万回となり、日本映画および海外アニメーション映画の1日の上映記録を更新したという。

中国の映画プラットフォーム・猫眼電影は、同作の最終的な興行収入が8億元(約152億円)に達し、日本での興行収入を上回る可能性があると予想している。記事は「(同作の)日本での興行収入は142億円を突破しており、同じく新海監督の『天気の子』を抜いて日本映画歴代興行収入14位にランクインしている」と紹介している。(翻訳・編集/北田)

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【記事内容】

新海誠監督によるアニメーション映画『すずめの戸締まり』(公開中)が、韓国での観客動員数が200万人突破した。

韓国で3月8日に公開された本作は、韓国のボックスオフィスで1位となる好スタートを切ると、22日時点で、興行収入が約225.4億ウォン(日本円で約22.7億円)、動員数は約214.1万人と大ヒットしている。

本作は、“災いの元となる扉”を閉めるために旅をする少女・鈴芽(声:原菜乃華)の姿を描く。九州の田舎に暮らす女子高校生・鈴芽が扉を探す不思議な青年・宗像草太(声:松村北斗)と出会い、災いをもたらす扉を閉めるために日本各地の廃虚へおもむく。日本では昨年2022年11月に公開され、142億円を超えのヒットを続けている。なお、韓国で現在上映されているのは字幕のみとなる。(編集部・梅山富美子)

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【韓国の反応】韓国人「日本映画すずめの戸締まり、韓国興行の現在の推移をご覧ください」←スラムダンクの邦画新記録を抜く勢いの模様【海外の反応まとめ】【3月26日昼分】

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